新世界より  貴志祐介

 

新世界より 文庫 全3巻完結セット (講談社文庫)
 

 

※ネタバレを含む感想です。

 

 

 

 

 

新世界よりを実際に読んだのは、しばらく前のことなのだけれど、

今日ふと本を探していたらオルダス・ハクスリーの「すばらしい新世界」が

ふと目について、あらすじを見ていたら、おそらくこれが

新世界よりの下敷きになっていると気づく。 

すばらしい新世界 (講談社文庫)

すばらしい新世界 (講談社文庫)

 

 

新世界よりを思い出してみると、まさにすばらしい世界同様

完全管理社会(ディストピア)の異様さに気付く主人公が描かれている。

 

貴志裕介は天才かと思っていたけれど、

こういった下敷きとなった作品があることを知ることも大切だな。

それで貴志裕介の評価が落ちるわけではないけれど。

 

こうしたディストピアSFがとりわけ面白いのは、

現代社会の現実を如実に表してくれるところだ。

新世界よりでバケネズミが実は超能力のない"人間”だったことが

終盤わかる。

現代においてもバケネズミのような人・状況を生み出していないだろうか。

あるとしたらなぜだろうか。