ジャック・ウェルチ わが経営

 

ジャック・ウェルチ わが経営 <上>

ジャック・ウェルチ わが経営 <上>

 

 20世紀最高の経営者とうたわれるウェルチの自伝

ウェルチの基礎は、幼少~青年期の母からの影響や

20代での経験により形作られたようだ。

GEに勤めたばかりのころに一度、昇給がみな一律で腹が立って辞めようとしたことが印象的。

ウェルチはいつも上司とは「自分の答えを持っていて、部下に尋ねるときはそれを確認したいだけ」ととらえ、単に答えるのではなく付加価値をつけて応えるようにしていたため、辞意表明しても引き留める人もいた、というエピソードは上司に恵まれない人にとってよいアドバイスだろう。

直属の上司が、良き応援者ではない場合でも、何かあった時には普段のそうしたところはきっと見てくれている人はいる。

 

GEのCEOレースでは、アメリカとは言えしがらみがあるのだなぁと感じた。(そんなものかもしれないが)。ずけずけものをいうタイプのウェルチだが、そうしたことに全くの無頓着でもなかったようだ。

 

特に良いと思った経営者としての行動は、クロトンビルの再建とワークアウトの徹底だ。

ワークアウトは真に現場を活かす良い仕組みだし、これを人事任せでなく数万人のトップが自ら考え、現実化するところが良い。口では現場主義とか言っている経営者に本気度が見えないことは、現場からはすぐに分かる。ウェルチが本気であることを伝えるためにものすごい苦労があったことが印象に残った。(10年近く現場へ自身の考え浸透するのにかかる)

 

あとは定番だが、改革の初めに小・中の成功を実現し、それをひっさげてさらに大きな改革へ取り組むことは、改革に否定的になりがちな組織への対峙方法として有効だ。

 

CEOになった時に読み返したい一冊。