夢はボトルの中に
夢はボトルの中に――「世界一正直な紅茶」のスタートアップ物語
- 作者: セス・ゴールドマン,バリー・ネイルバフ,関美和
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2015/08/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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面白くて一日で一気に読んだ。
「競合だらけの飲料業界に飛び込んだ青年セスと
恩師バリー。商品開発、営業、資金調達・・・
とにかく失敗続きのふたりが全米トップブランドを
つくるまでを描いたノンフィクションビジネス漫画!」
ピーター・ティールの「Zero to One」で
「賛成する人のほとんどいない重要な真実はなんだろう」
この答えにこそ成功するスタートアップの秘訣が詰まっていると
言っていた。
この本ではまさに、主人公のふたりが
「消費者は実はもっと甘くない飲料を求めている」
という問いにたいしてオネストティーによって
懸命に答えようとしていく物語だ。
ピーターの問いの意味がよく理解できていなかった自分にとって
この本は非常に多くの学びがあった。
・自分が信じるものを立ち上げること。それがやがてブランドとなる。
・経営とは短距離走ではない。マラソンだ。
・経営はだいたい資金繰りに悩まされる。
・大企業の持つ設備、人、情報、販売網などどれも実は一朝一夕では
手に入らない代物だ。(流通について、特に主人公たちは悩まされた)
・流通については、売れなきゃ取り扱ってくれない、
取り扱ってもらわなきゃ売れない、という問題がある。
小さな成功事例をコストをかけても作り、広げていくのが一つの解決策
・商品価格は①小売価格②コストから③価格による売上と利益率の
変動を考える。
ふたりは商品だけでなく、社員や環境にたいしても正直で、
健康的であろうとし、また彼らがそうなることを支援した。
ブラック企業がたたかれる背景には、一見こぎれいなCMの裏で
それとは正反対のことをしている企業に消費者が気づき、嫌気が
さしてきたからだ。
真のブランドを構築するには、商品のみでなく企業自体がそれを体現する
必要性がある。
個人的に圧倒されたのは、起業直後の彼らの実現力だ。
オネストティーという発想自体はもしかしたら自分にもできたかもしれない。
けれど、それをどう実現するかは全く見当もつかない。
飲料はとても身近なものだけれど、そんな身近なものでさえいざ自分で開発し、
流通させようとするととんでもない苦労があるのだ。
例えば、仕入先は?どこで生産する?流通網は?売掛金の回収は?などなど。
信念のこもった問いとそれに対する答え。
この二つをスタートアップ検討時にはまず考えること。