「夫のちんぽが入らない」こだま
著者のサイン本、という文字が目に入りタイトルを見ると
なかなか刺激的なタイトルが飛び込んできた。
恐る恐る冒頭を読んでみると一気に引き込まれた。
ここのところ半年ほど、私自身仕事で非常に悩まされていた。
正直つかれた。
まったく状況は異なるけれど、著者の悩みの深さもなかなかのものである。
心に刺さったのは、表題についての問題は確かに著者が対面した問題であるものの、
実際に、著者の心を壊し、身体を壊したのは仕事だということだ。
職場での孤立、学級崩壊。
ガードレールのその先に行ってしまわぬように、ぐっとハンドルを握る著者。
私の置かれていた状況も、炎上案件を量産するマーケ&セールスチーム、
不具合とバグと抜け穴ばかりの仕様を量産するエンジニア、
そんな状況を直視せず、はったりばかりの事業部長に囲まれていた。
誰も本質的なことを考えず、お客様に迷惑ばかりかけ、
お金だけは搾り取り、転職のための経歴をきれいにすることだけがお仕事だと勘違い。
ひとりでお客様と向き合い続けている間に、わずか半年だけれど数年分年を取った気がする。
そんな状況で、今後どうすればいいんだと久しぶりに挫折と無力感に襲われていた。
この本を読んで解決したわけではないけれど、ちょうど昨日でその仕事とはおさらばした。
会社を一人でひっそりでたら、思いのほか心が晴れず、そのことをどう処理すればいいのかわからず戸惑っていたけれど、
今日、いつもより髪を短くしたらすーっと気持ちが切り換えられた。
思えばここのところずっと何かを背負っているようなけだるさだったと、
いまになってから気づいた。
渦中にいると意外と気づかないものだ。
この本の学びは、やはり仕事に人生を奪われてたまるかということである。
自分で稼ぐ力を身に着けて、いやな仕事なんで1秒もやらないで済むように精一杯頑張ることだ。
普通に生きる難しさと向き合い続けてきた著者。
願わくばやすらかな毎日を過ごされますように